孤高の男
昨日ここ長崎では、
秋の大祭『長崎くんち』の行事の一つ『庭見せ』が開催されました。
そして立て続けに今日も好天の中、
本番リハーサルにあたる『人数揃い(にいぞろい)』が執り行われ
各踊町もいよいよ本番を迎えるだけとなりました。
猛暑のなか稽古を積まれた方々のご苦労が報われるような
素晴らしい秋空の下での立派なご奉納を期待したいと思います。
・・・・・・、昨年の今頃はズッポリ当事者だったのですが、
今や隔世の感すらあります・・・。
『光陰矢の如し』をモロに実感しております(笑)。
さてさて・・・、
昨日は一人の野球選手の引退セレモニーが行われました。
その選手とはご存知広島東洋カープの
『孤高の侍プレーヤー』、前田智徳選手です。
本人も自分の口から語っておりましたが
脚の怪我に悩まされながらの24年間、
広島一筋の誇りに満ちた野球人生でした。
彼の実績やら他のプレーヤー評などは
私ごときが語るに及びませんので
彼に抱く個人的な印象を記したいと思います。
一言で言えば「自分に厳しいプレーヤー」だったと思います。
しかもその厳しさも一際高い次元であったように感じます。
ひたすら自分の理想像を追い求める求道者でありましたし、
成功したことに満足することなく
失敗の方を悔やんで涙を流すこともありました。
ホントの意味での『侍(もののふ)』であったと思います。
マスコミもそんな彼とは一線引いているような印象がありましたし。
そんな『孤高』のイメージがあった彼が、
引退を発表してからは憑きものが落ちたように
急に柔和になったような印象を持ちました。
何かをやり遂げて達成感に満たされたのか、
それとも自分の限界を知り諦めの気持ちが生じたのか・・・?
果たしてどちらの想いなのかは本人のみぞ知るところでしょう。
彼は今季初めにデッドボールを受けて手を骨折し、
シーズンを通じて欠場を余儀なくされました。
その結果としてチームに対して直接的に貢献することはできませんでした。
それでもチームは16年ぶりのAクラス入りを確定させ、
初のクライマックスシリーズ進出を果たしました。
もしかすると彼に有終の美を飾らせたいという
チーム内の見えざる意思が結実したのかもしれません。
そう考えると彼の貢献度は高いものがありますね。
そんな彼に対してできれば昨日で終わりにするのではなく、
初のクライマックスシリーズを戦うチームの精神的な支柱として
最後のご奉公を期待しては酷でしょうか?
ここ一番のチャンスで、
「・・・に代わりまして、代打、前田智徳!」。
このコールが響くだけで球場のムードが一変すると思うのですが。
足を引きずりながらサヨナラホームランをかっ飛ばした、
1988年ワールド・シリーズでのドジャーズのカーク・ギブソンの例もありますし。
カーク・ギブソン サヨナラホームラン
昨日の家族(お子さん)と一緒の柔和な表情を思うと、
もう勝負の世界には戻れないのかなぁ・・・。
ここはやっぱり「お疲れ様でした」、ですね。


