桜吹雪
今日は午後から風が強くなりました。
車で道を走っていると
色んなところで桜吹雪を浴びまくりました。
『桜吹雪』
この言葉を聞くと心が疼く名シーンが
私にはあります。
時は1996年4月21日、ところは鈴鹿、
当時のモーターサイクル界の最高峰
WGP500CCクラスの日本GPにおいて
『ノリック』こと阿部典史(故人)が
日本人としては実に14年ぶりの優勝を果たしました。
1994年にワイルドカード枠で同大会に初参戦し
レース終盤まで果敢な走りでトップを争いながら
攻めすぎたあまりに残り3周で転倒リタイア。
その走りっぷりがモーターファンの心を鷲掴みにすると同時に
ウェイン・ルーニーに認められ
翌年からはチーム・マルボロ・ヤマハ・ロバーツからフル参戦を果たします。
そして満を持して迎えたこのレース、
予選は11番手と出遅れたかに見えました。
しかし得意のスタートダッシュで一気に順位を上げ
混戦模様の序盤を上手く乗り切りトップに立ちます。
それからは力を緩めることなく鬼神の走り。
トップでありながらファストラップを更新していきます。
トレードマークの長髪をなびかせながら逃げに逃げるノリック。
誰もが優勝を囁き始めながらも
2年前の悪夢の記憶が頭をよぎります。
また転倒するんじゃないのか?
最後までタイヤが持つのか?
そんな観客の不安をよそにノリックのアクセルは全開。
そしてファイナルラップ。
2位に8秒以上もの大差をつけてゴールを目指す彼の勇姿に
この名実況がオーバーラップしていきます。
「さあ、ノリックの目には、
桜吹雪の中にチェッカーフラッグが見えたはず!」
この国のこの季節に開催されるレースで優勝しなければ
決して使われることがなかったフレーズです。
そして念願のゴール!!
実に彼らしいウィニングランのあとは涙々・・・。
余程嬉しかったのかインタビューで泣きじゃくる姿も印象的でした。
彼がその後(2007年)、
若くして公道での事故に巻き込まれ命を失っただけに
伝説のレースとしていまだに語り継がれる名シーンだと思います。
『桜吹雪』・・・、
あらためて良い響きですよね。
明日からこの国のプロスポーツが本格的に再開します。
「名シーンに名実況あり」
観戦する者の心を揺さぶる一瞬に期待します。


